百万遍 上

2007年1月13日 読書
ISBN:4104467022 単行本 花村 萬月 新潮社 ¥1,890
表紙の写真は著者15歳のころの写真だそうです。
すごくひねた15歳だと思う。

自伝的小説とのことだが、
久里浜の児童福祉施設をへて
セルジオ会の寄宿舎生活。
そして、愛に対する飢え。
父に対する畏敬と軽蔑という
矛盾した気持ち。
著者が望んだ訳ではなく山谷で産まれ
奇遇な人生が宿命づけられたのである。

ここでは、まだ京都の百万遍に
たどり着いてはないけれど
そこに至るまでのすさまじい
女性関係と学校生活が描かれている。

青の時代は下巻の彫清との出会いが
きっかけだと思います。

ところで、彼の人生に憧れる人もいるだろうが
彼のたぐいまれなる才能があるから
小説として生かされている訳で
普通の人間ならば、犯罪者か
粛清されてしまう可能性が大である。
それとも、彼の父のように世を呪って死ぬか。

私は、凡庸で凡才で良かったと思う。

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