ルートヴィヒ 復元完全版 デジタル・ニューマスター
2006年11月20日 映画
とても凝った衣装に城にワーグナーの音楽。
これだけでも、美術館に3時間いたような
感覚ですね。
白鳥の湖のような城、川の中に浮かぶ
船全部夢の世界です。
でも、ルートヴィヒの人生は、戴冠式から
悲劇の連続。
既婚者でフェリペ2世と結婚していた
エリザベト王妃との悲恋、普襖戦争での敗戦
ドイツ連邦に加盟せよという屈辱的和解を
拒否したり、弟の精神的破壊、という
悲劇から国政に興味を無くします。
謎のゾフィーとの婚約破棄後、破滅的生活
ワーグナーへの異常な傾倒、107日間しか
いないのに建設した豪華な城、国費の濫費、
エリザベトの無言の忠告も無視し
自分の臣下に無条件な忠誠を誓わせ
イエスマンばかりにしてしまう。
容色に優れた俳優カインツに
贅沢な褒美をあたえ、ワーグナーの裏切りを
うめあせようとしたりするものの
孤独から逃れることはできない。
むしろ孤独や裏切りの恐怖が
大きくなるばかりである。
最後は、内閣からクーデターを起こされ
精神病院に入院することになる。
そして、教授をだまして散歩に出
溺死する。
孤独で哀れな最期だった。
なんだか、山猫の貴族に比べたら
なんて寂しい救いようのない最期だろう。
言葉にならない。
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