DVD アスミック 2003/11/28 ¥3,990 1923年のロンドン郊外、『ダロウェイ夫人』をしたためる作家ヴァージニア・ウルフ。1951年のロサンゼルス、『ダロウェイ夫人』を愛読する主婦ローラ。そして、現在のニューヨーク、ダロウェイ夫人のような生き方をしているクラリッサ。別々の時代、別々の場所に生きる3人の女性の一日が交錯する、珠玉のドラマ。

私は、すごく良かったと思っています。
バージニアウルフ役の二コールの自分の世界を
理解されない悲哀と狂気じみた表情が
見ていて切ない。

ウルフの「ダロウェイ夫人」を読む主婦役の
ジュリアンムーアの気持ちは、共感できる。
感情をむき出しにせず、今の環境に
なじもうとするのだが、上流の貴婦人の
社会からはみ出してしまうのです。
印象的な場面は、この主婦は、ケーキ作りを
友達と作っているときに、ケーキ作りを
失敗してがっかりしているシーンに現れる。
友人の主婦は、「あなたには別の才能があるのよ。」
というのだが、ジュリアンムーアの演じる役は
苦しみでしかない。

1950年代という制約と、夫たちの物質的に満たされる
ことと精神的に満たされることは違うと言うことを
理解してもらえなかった主婦たちは、バージニアの
自殺、主婦のリチャードという子どもを捨てる
行為に結果として導かれる。

男性と話をすると、「こんな良い夫に恵まれて、
何で自殺しないといけないのだ。離婚や子捨て
をしなくてはならない。」
と言うのですが、(私も心療内科医に言われた。
以来他人には理解してもらえないと思い黙っている。
しかも、その心療内科の看護師は、私が心療内科に
通っていることを他の看護師に言っていた。
ショックを受け通うことができなくなった。)
これは、上流の知的女性は苦しいでしょう。
男性は自分の存在が社会的に認められる
から苦しまないのかといったら
そうではないらしくって。

主婦の子リチャードは同性愛者でエイズにかかってしまっている
(同性愛だからエイズにかかるわけではなく、役割として
 二重の少数派としての役割を与えたはず。)
そして、作家としての地位も名声も財産も得たのに
自分の母親を許すことは出来ない。
そして、小説のなかで母親を死なせ、
自分も自殺。

なんか、とても切なく後味悪かったです。

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