ISBN:4061089609 単行本 大和 和紀 講談社 1980/11 ¥410
最近源氏物語にはまっている。

源氏物語は、ただ単なる恋愛ものでなく、哲学、思想、政治、
もからめてあって紫式部の学の深さに感銘を受ける。
「紫式部日記」を読むと、プライドが高く、才能があることを
鼻にかけたやな女。に見えるかもしれないけれども、
当時、貴族社会は血筋がよくても、皇太子を産まないことには
出世できない社会だったのである。
このころから、男だったら本当に三舟の才とか、学問博士として
名をはせたことができたはずである。

ところが女というだけで、女御の家庭教師役(女房と言われた)
にしかつけないのである。
不満はたまるでしょうね。
しかも、結婚生活がこんなに早く終わるとは思わず、
宮仕えだなんて。
彼女は言っています。
「すさまじきは宮仕え」
本当にそうだと思います。
周囲は、みな関白や摂政と比べたら身分は劣るものの
才や財産、身分は、一般社会においては上である。
プライドとプライドがぶつかれば、それはまあ、
すさまじいのでしょう。

そして、紫式部は仏教思想についても
造詣が深くて、彼女は比叡山の顕教のように
実力主義であってもらいたいはずだったと思う。
東寺は密教で、夜、呪術をして、根合わしをして
という政治に嫌気がさしていたと思う。

また、紫式部は、出家をする女性に対して、
とても、しっかりしたりりしい女性を描いている。
女性の自立を自然な形で書いている紫式部さんは
凄い能力の持ち主だと思う。

源氏物語。
人生の勉強をさせていただいたと思っている。

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